介護食に向く調理法 その1

ユニバーサルレシピという言葉を聞いた事がおありでしょうか?

これは子供も大人も介護が必要なお年寄りも、誰でも同じ様に食べられるレシピの事で、わざわざお年寄り向けや子供向けに作らない方法とも言えます。

つまり普段の生活でユニバーサルレシピについての知識とコツを頭に入れておくと、自宅での介護生活が少しだけ楽になります。

私が実際に実父を介護していた時に、もしこのユニバーサルレシピ的な考え方が頭にあったら、毎日の献立作りがもっと楽で楽しかったろうと、今になって思います。

そこで今日はその中でも「調理法」にフォーカスしてユニバーサルレシピ的な考え方をお伝えしようと思います。

子供からお年寄りまでどの世代でも食べやすいと言っても、要するにお年寄りにとって食べやすければ他の世代も問題ありません。

では逆にお年寄りはどんな料理が食べにくいのでしょうか。

まず真っ先に浮かぶのが「硬い」料理。個人差が大きいとは言え、お年寄りの多くは入れ歯をしていますし、噛む力そのものも衰えてきます。

次に「乾いた料理」も苦手です。これは唾液の分泌量が若い人に比べて少なくなるからで、誰にでも起こる老化現象です。

まとめると、「硬くて乾いた料理」はユニバーサルレシピにはならないという事になります。

そうすると硬くなくて乾いていない料理を考えればいいわけですが、これを分かりやすく言い換えると「やわらかくしっとり仕上がった料理」となります。

更に嚥下機能の衰えにも配慮して「喉越しの良い」も追加すれば、「やわらかくしっとり仕上がった喉越しの良い料理」となります。

ではこうした料理を作るのに、どういった調理方法が向いているでしょうか。

調理方法には大きく分けて「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」がありますが、「焼く」と「揚げる」は食材の水分を奪いますので、ユニバーサルレシピに仕上げる為には後から何かしら水分を補充する必要が出てきます。

「煮る」の場合は、逆に水分を追加しますし時間をかけて煮ればやわらかく仕上げる事も出来ますので、これはユニバーサルレシピには向いている調理方法と言えます。

最後に「蒸す」ですが、この方法もユニバーサルレシピに適した調理方法になります。「蒸す」の何がそんなに適しているのか、いくつかあげてみます。

まず「蒸す」は、他の調理方法に比べて素材に対する熱の当たりがとても柔らかいです。これは加熱する食材が熱で硬くなるのを防ぐ事につながります。更に蒸気で過熱するわけですから水分を補う事になりしっとり仕上がります。結果的に「やわらかくしっとり仕上がった喉越しの良い料理」になるわけです。

ちょっと長くなりましたので、今回はここまでとし、次回に「蒸す」方法について具体的に、もうすこし深掘りしてお伝えしようと思います。

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