有限会社 食べごろ代表
中嶋 洋二郎
「サイト管理人ご挨拶」
私が生まれて初めて料理を作ったのは小学生の低学年の頃でした。
自宅裏に生えていた野草の葉っぱをダシの素入りの水で煮て醤油と味の素で味つけしただけの、料理とも言えないようなものです。
今でもその料理の味を何となく覚えていますが、吐き出すほどでは無かったものの、はっきり言って不味くてどうしようもない代物でした。そもそも煮た野草の葉が実際に食べられるものなのかどうかも怪しいわけですから作ってそのまま捨てるのが普通です。
しかしその時の私は、その料理を祖父に食べてもらいたくてお鉢に盛り付けてもっていきました。
祖父は最初驚いていましたが、とりあえず一口食べてくれました。反応は微妙だった気がします。
小さかった私はそれで満足してしまい、自分の作った料理のことはすぐに忘れてしまいました。
ところがです。その翌日だったか数日後だったか、何とその料理を祖父と祖母が大事にとっておいてくれて、自分たちの食事の時に少しずつ食べているのを見てしまったんです。
それを見た瞬間のあの何とも申し訳なく切ない気持ちは今でも忘れることが出来ません。
あんな不味いものを捨てずに食べてくれているという事が、小さな私にとってショックであると同時に、祖父と祖母に悪いことをしてしまったという気持ちがいつまでも消えませんでした。
つまり料理とは作り手にとっては勿論のこと、食べる方にとっても愛情の表現であるわけです。祖父と祖母は私にそれを教えてくれました。
食べごろclubでご紹介するレシピは、全ての料理が「噛みやすい」「飲み込み安い」「噛みやすく飲み込み安い」のいずれかの条件を満たす物です。
歯が悪いからと市販のソフト食ばかりではすぐに飽きてしまいます。嚥下が悪くむせやすいからと言って何でもかんでもトロミ剤を使ってしまってはせっかくの料理が台無しです。
少しの工夫と愛情で、家族と同じ料理を食べさせることが出来れば、介護が必要な方にとっても食べる意欲を持ち続けるモチベーションになるのではないでしょうか。
当サイトでご紹介するレシピが大切なご家族との幸せな食卓を演出する一助になる事を願っています。