介護食に向く料理とは

要介護の方向けの料理と聞いてどんなイメージが湧くでしょうか。一般的には刻んだりミキサーに掛けたりトロミ剤を使ったりといったイメージかもしれません。

ところが実際に施設で調理していて、「刻み食」や「ミキサー食」ばかり作っているかというとそんな事はありません。

多くの方は刻まずに食べられますし、トロミ剤も皆が使っているわけではありません。施設の場合は時間の制約や業務の段取りの部分から頑張れば普通に食べられるのに安易に刻み食にしてしまっている場合も多々あります。

しかし自宅で介護する場合だと、施設の様に食事の時間が決まっているわけでもないでしょうし、忙しいなか一度作った料理を更に刻むのは面倒です。

自宅で介護する時に、要介護者と他の元気な家族と別々の料理を用意するのは手間ですし介護される側も出来れば家族と同じ物を食べたいと思うものです。

ですので、自宅の場合は要介護者も元気な家族も皆同じ料理を食べるという事を基本に考えれば毎日の献立がうんと楽になります。

ではその場合に、どういった面に気をつけて毎日の献立を考えれば良いのでしょうか。

これは要するに歯が悪くても嚥下が悪くても「食べやすい料理にする」という事につきるのですが、一つだけ外せない条件は適度に水分を含んだ料理にするという事です。

おせんべいやナッツ類の様に乾燥していて口の中で散らばるものはNGです。

その上で適度に柔らかければ尚良しとなります。これをまとめると「しっとりのど越しが良く適度に柔らかい料理」となります。

例えば和食なら茶碗蒸しやだし巻きなどの卵料理、中華料理なら麻婆豆腐や天津飯などのトロミがついた料理、洋食ならビーフシチューやホワイトソースがかかったグラタンなどの料理がすぐに思い浮かびますが、他にもいくらでもあります。

つまり何も特別に介護食と気を張って作る必要などなく、自分が食べたいものの中から、「硬い」と「パサパサ」を外して考えれば何でもいいわけです。

硬さに関しては実際に食べる方の噛む力を考える必要がありますが、お年寄りの場合咀嚼する能力も使わなければ衰えてしまいます。咀嚼力が衰えると唾液の分泌も悪くなり口の中で食べたものがまとまりにくくなり結果的に誤嚥しやすくなります。

時にはちょっと固めの料理にして顎を使っていただき咀嚼力を維持してもらう事も思いやりです。例えばお刺身の盛り合わせを買ってきたとします。その中にタコが混じっていたとしても、あえてそのまま食べてもらっても良いのではないでしょうか。ちょっと無理かなと思う場合はタコに少しだけ隠し包丁を入れてもいいですし、一旦お膳に出してから本人に食べるかどうか聞いてもいいですしね。

要介護になり自宅からほとんど出られなくなったお年寄りにとって食事は何よりの楽しみのはずです。少しでも長く元気でいてもらうためにも愛情のこもった料理を提供してあげて下さい。

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