味つけの法則

今回は専門の介護食カテゴリーからちょっと離れまして、料理全般の「味つけ」についてお話しします。実は味つけには一定の法則があってそれを知っていれば大きく失敗しないし失敗しても修正出来るというお話しです。

料理初心者がやりがちな失敗に味を付けすぎる事がありますが、例えば醤油を入れすぎて辛くなってしまった時に、どうやって修正すればいいでしょうか。

また砂糖を入れすぎて甘くなってしまった場合、どう修正すれば良いでしょうか。

あるいはお酢を入れすぎて酸っぱくなった時はどうすれば良いでしょうか。

これらの修正で使う調味料はそれぞれ違いますが、修正するときの考え方は全部同じです。

答えは「反対の味を足す」になります。

醤油を入れすぎたなら醤油は「塩辛い」ですので反対の「甘い」を足します。具体的には味醂か砂糖になりますね。

砂糖を入れすぎたなら「甘い」の反対は「塩辛い」ですので醤油か塩を足します。

お酢の場合はどうでしょうか。お酢は「すっぱい」ですが、反対の味はなんでしょう?

「苦い」でしょうか?何か違う気がしますし、「苦い」をプラスしても解決しそうにありません。そういう場合はちょっと想像を働かせて「すっぱい」を「さっぱり」に置き換えます。

すっぱい料理はだいたいさっぱりしていますからね。そうするとさっぱりの反対である「こってり」や「濃厚」が浮かんできます。

すっぱくし過ぎたのがドレッシングでしたら「こってり」のオイルをプラスすれば良いでしょうし、酢の物でしたら味を「濃厚」にする砂糖や旨味を含んだ調味料、例えば醤油や味醂を考えます。中華料理の酢豚が甘いのもこの法則に当てはまります。

こんな風に全部反対側の味で全体のバランスを取っていきます。

そしてどれも無理そうな場合は最後の手段として「水」を足します。つまり一度リセットするわけですが、これは出来れば避けたい事態です。

この法則は味つけ以外にも当てはまりまして、献立の取り合わせにも使えます。

わかりやすい例をあげます。

カレーの付け合わせと言えば「ラッキョウの甘酢漬け」と「福神漬け」が思い浮かびますね。これなんかはまさにこの法則が使われていまして、カレーの「辛い」と「こってり」に対して「ラッキョウの甘酢漬け」の「さっぱり」や「福神漬け」の「甘い」を取り合わせてバランスを取っているわけです。

私は一度カレーと一緒に普通の青菜の塩漬けを食べてみたことがありますが、全く合いませんでした。これはカレーにも結構な量の塩分が含まれているからで、塩分が強いものはいくらさっぱりしていてもカレーとは合わせにくいですね。

他にも、脂の乗った焼き魚に大根おろしを合わせるのもそうですしぜんざいやお汁粉に塩昆布を添えるのもこれにあたります。

この話、広げていけばいくらでも続けられますので一旦この辺にしておきます。

今日は味つけ作業はバランス作業だというお話しでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です