介護食と普通食2

皆さんは「介護食」に対してどんなイメージをお持ちでしょうか。中には老人向けの介護施設で出される食事は、すべてお年寄りが食べやすいように工夫された介護食だと思っている方もいらっしゃると思います。介護施設と一口に言っても色々なタイプがありますので、もちろんそういった食事を出さざるを得ない施設もあります。

しかし民間の有料老人ホームなど多くの場合、提供する食事はごく普通に一般の人が食べるものと同じ物が提供されます。もちろん個別対応で刻み食やミキサー食などの介護食を提供する事はあるのですが、その場合も特別にその人の分だけ一から作ることは基本的にありません。

他の人と同じ物を、オーダーに従って刻み食にしたりミキサーにかけたりします。

つまり介護施設で食事を提供する為の特別な調理方法やレシピがあるわけではありません。

ただ、避けた方が良い食材というのはありまして、そういった食材は使わないように配慮はされています。例えば喉に詰める恐れのあるお餅や小骨の多い魚などです。

実はパンも喉に詰める恐れがある食材になりまして、避けた方が良いとされているのですが、パン好きなお年寄りも多いため実際には多くの施設で提供されています。

私が以前働いていたサービス付き高齢者住宅では、元気な方が多かったからかもしれませんが、ピーナツを砕いて和え衣にするピーナツ和えをよく出していました。

他にクルミ和えなども出していましたが、ナッツ類は細かい粒が入れ歯と歯茎の間にはまり込んでしまう事があり避けた方が良い食材とされているのですが、献立を考える栄養士さんにしてみたら、ナッツ類の高い栄養価は魅力的なのかもしれません。

私は実際にピーナツやクルミの粒が残った状態の和え物を何度も作って提供しましたが、一度もクレームはありませんでした。

つまり何が言いたいかというと、お年寄りであっても要介護者であっても食事の内容を大きく変える必要は無いということです。

勿論硬さやサイズなどその人に合わせた配慮は必要ですが、要介護者だからといって最初から刻み食を食べたいとは思っていません。それどころか出来ればいつまでも若い頃と同じ様に食事を楽しみたいと思っているのが普通です。

もし自分がお年寄りの介護をする必要に迫られたとき、食事の準備は大きな負担の一つになるかもしれないのですが、とりあえずは自分が食べたいものを普通に作って一緒に食べるという事を基本にすればいいと思います。

面倒ならたまにはコンビニ弁当でもいいと思います。

「介護食」といった特別な料理など実は必要なく、普通に同じ物を同じ様に食べる事が一番の幸せだと思います。

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