介護食と普通食

「介護食」というとなんだか面倒くさいもので、トロミを付けたり刻んだりといったイメージが湧くかもしれません。確かに被介護者の状況により手間がかかる場合はあります。

しかし自宅で介護されている場合だと、毎日なかなか食事に手間をかけていられないのも現実です。そんな中で是非とも覚えておきたいのが、特別に介護食としての加工をしなくても食べられる「普通食」メニューです。

例えば大阪船場の伝統料理に「小田巻き蒸し」という料理があります。

茶碗蒸しにうどんが入っただけのものですが、これだと主食のうどんと副菜のタンパク質や脂質などがいっぺんに摂れてしまいます。

家族全員分をひとつずつ作ろうと思うと、うどん入りの器を全部一度に蒸せる大型の蒸し器など家庭にありませんから大変ですが、ひとつの土鍋に家族分全部のうどんと具材を投入して水を張ったフライパンの上で加熱するなど工夫して作れば一度に出来てしまいます。

麺類はすすり上げて食べるとむせやすいですが、かといって短く切るのも面倒でしたら、スパゲティの要領でフォークでくるくると巻いて食べれば問題ありません。

本人がフォークでくるくるするのが難しければ、取り分けてから料理ばさみで切ってあげれば食べられます。

ご飯類でしたら、中華丼や天津飯など餡かけの丼ものならトロミを付ける必要ありません。

もっと簡単な例ですと、卵かけご飯などは食べさせやすい「普通食」です。

誤嚥は口の中で食べ物が散らばって細かいものが予期せずに喉の奥に流れ込むことでも起こります。これを避けるためには口の中で食べ物がまとまり安く散らばりにくくすればいいわけですが、そのためにトロミ剤などを使ってまとまりやすくするわけです。

ですから、何かしら食べ物をまとめる役割をするものがあればいいわけです。

卵や山芋のとろろなどはそうした意味でとても良い食品です。

また、汁物だけトロミのついた中華風スープやかき玉汁などにすれば、それをトロミ液代わりにしておかずやご飯が食べられます。

こんな風に少しの工夫でご家族とお年寄りが同じ献立で食卓を囲むことが出来ます。

当サイトのレシピなども参考にしていただきながら、日々のお料理に役立てていただければと思います。