ちょっとした料理の裏技

私は元々洋食のコックさんをしていましたので、上手にトントンとオムレツを巻いたり、オーダーに合わせてステーキの焼き加減を変えたりも出来ますが、これが出来たからって家庭ではあまり役に立ちません。

これはレストランの料理が非日常の料理であるのに対して、家庭料理は日常そのもので全くジャンルが違うからです。

家庭ではそれよりも冷蔵庫の残り物を無駄にしない知恵だとか、その日安く売っていた材料をパパッと短時間で料理出来る臨機応変さなどの方がよほど役に立ちます。

もちろんプロの厨房でもそうした能力は必要なのですが、それはあくまで脇の能力であって、それが出来るからと言って給料が上がることはありません。

ただ、プロが知っていて日常使っているテクニックの中にも、時々家庭で役立ちそうなものがありますので、今日はそうした裏技をいくつかご紹介します。

裏技と言っても結構皆さんご存知だと思いますので、知っている方はフンと鼻で笑いながら読んで下さい。

一つ目は、「重曹を使って野菜を茹でる」です。

お年寄り向けの料理を作る際には、蓮根やゴボウなど繊維質な野菜は先に柔らかく下茹でしてから調理するのですが、その際に重曹を入れて下茹でします。そうすると短時間でとても柔らかくなります。入れる量はほんの少しです。入れすぎると重曹独特の苦みが残りますし、ほんの一つまみ二つまみ程で充分に柔らかくなります。

ただし、ゴボウの下茹でに重曹を使うとゴボウが少し黄色くなってしまうので、気になる方は使わないで下さい。

二つ目は「魚は酒をふってから焼く」です。これはお年寄り向けの施設に限らず、割烹料理屋さんや和食屋さんなどでも普通に行われていると思います。

狙いとしては、臭みを取ることと焼き上がりをふわっとさせたいなどです。焼き上がった時に酒を吹きかける調理師さんもいらっしゃいます。どちらでもかまいませんし両方やる調理師さんもいらっしゃいます。

最後は「砂糖は旨味調味料の代わりになる」です。

例えば炒め物を作っている時に、パパッと少量の旨味調味料を使うことは結構あると思いますが、これを砂糖に置き換えても美味しく出来ます。

勿論、入れすぎたら甘くなってしまいますので、あくまで少量の隠し味程度に使います。

同じ狙いで粉末のカレー粉を少量使う方もいます。どちらもそれと分からない程度に入れれば味に少しの奥行きが出ますが、それが旨味というわけです。

以上思いつくものを三つほどあげてみました。

他にも思いついたら、また記事にしてみたいと思います。

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