再び食べられる幸せ

先日Twitterを見ていましたら、介護施設でプライマリーケアーをされている医師の方が動画を投稿されているのが目に留まりました。

その医師が担当されていた患者さんが、入院先から施設に戻ってきて、再び口から食べ物を食べられるようになった様子を動画に撮影してアップされていたのですが、中々心温まる動画で思わず見入ってしまいました。

Twitterによると、この患者さん入院中は口から食物を摂ることを禁じられていたとの事で、施設に戻ってきた時には再び自分で食べられるか不安に思っていたようです。

しかし施設のスタッフさん達の献身もあり、再び自力で食べられるまでに回復したのですが、退院後初めて自力でお茶を飲んだ様子が動画で投稿されていました。

マグカップに注いだお茶を、ゆっくりゆっくりと口元に運んで一口飲んだあとに満面の笑みを浮かべて嬉しそうにしている患者さんが映されていたのですが、本当に嬉しそうでこちらにまでその嬉しさが伝わってくる動画でした。

実は私もケガのせいでしばらく口から食べ物を食べられない経験をしたことがありまして、この患者さんの嬉しさが実感として分かります。

私の場合は若かったですし、しばらく我慢すればリハビリを経てもう一度口から普通に食事を摂れるようになる事は分かっていたので、不安もありませんでしたし出来る我慢だったのですが、お年寄りの場合はもう二度と食べられないかもしれないという意識がどうしてもついて回ると思いますので、嬉しさもひとしおだったのではと思いました。

私が普段介護食の講座をさせて頂くときには、どういった料理がお年寄りにとって食べやすい料理なのかを説明するのですが、同時に少し食べにくい料理もご家庭では出して下さいねとお話しすることがあります。

これはお年寄りの機能維持の為に、あえて「しっかり噛む必要のある料理」を提供することも介護食の役割だからです。

もちろん無理があってはいけませんのであくまでケースバイケースなのですが、そうした見極めも自宅で家族が介護している場合には可能です。

お年寄りが残存機能を失うスピードは驚くほど早く、一度出来なくなってしまったことを再び出来る様にすることはかなり難しいです。

頑張れ頑張れと心理的に追い込むような事は慎むべきですが、ちょっと噛み応えのある食事をそれとなく食べさせる程度なら本人も気づかないうちに機能訓練をした事になります。

これが介護施設の場合だと、普通の食事は食べられないと一度判断されたらずっと刻み食にされてしまい本人がよほど希望しない限りは元に戻してくれません。

身内は愛情、介護はプロへという考え方もありますが、身内にしか分からないことや出来ない事もあることを知っておいて欲しいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です