食べる事は生きる事

人としてこの世に生まれた以上、食べる事はそのまま生きる事に繋がります。
この事から逃れられる人は一人もいないわけで、その事に異論を唱える人はいないと思います。
逆の言い方をすれば、人は食べることを辞められないし、それを辞めると言うことはつまり死を意味します。
人間誰しも口から物を食べられなくなったらそれは死ぬときだと覚悟するべきです。
以前老人ホームで沢山の看取りを経験したお医者さんが書かれた本を読んだ事があります。

その本にはこんな事がかかれていました。

曰く、老人はガンになっても特に治療をしなければ痛がりもせず枯れるように亡くなっていくと…。最後は食べ物を受け付けなくなり、少しの水分だけが口に入るがそれも出来なくなり亡くなっていく。80歳を超えたような老人にガンがあるからと手術や抗がん剤を勧めるのは心ある医者のすることではないと書かれていました。

私も全く同感です。というのも、私の両親はどちらもガンで亡くなったのですが、母の方はどっぷりと医者の世話になりまして、手術も2回受け抗がん剤もガンガンやり最後は痛み止めのモルヒネのせいでまともに会話も出来ない状況にされてしまいそのまま亡くなりました。もう最後の数週間は全く意思の疎通が出来ない状態でした。

一方父はガンが見つかっても本人の意志で治療を拒否して自宅に戻りました。当時私はそんな父を介護するために家族と離れ一人実家に戻り暮らしていました。

私は調理師ですので毎日毎食父の食事を作って食べさせていましたが、ガン患者になっても父は食べる事に関する意欲が旺盛であれこれと私に注文をつけてくれました。

好物のウナギが食べたいと言えば食べさせましたし、ビールが飲みたいと言えば飲ませました。揚げ物を食べさせると下痢をすることが分かっていても天ぷらが食べたいと言えば食べさせました。

結局亡くなる前日の夕食でも好きなアルコールを少しだけたしなみ、そのまま床に就いて痛がることもなく翌朝亡くなっていました。

母とは真逆の亡くなり方だったと思います。

この事を体験して以降、私は人の健康というのは「食」を中心に考えるべきで安易に「薬」に頼るべきでないと思うようになりました。

父が亡くなって10年近く経ちますが今でもその考えは変わっていません。

もちろん医者に掛かることが悪いこととは思いませんが、自分の身体のことは自分で決めるという覚悟をもった上で医者にかかるのと、盲目的に医者を信じて診せるのとでは天と地ほどの違いが生まれると思います。

全ての医者が名医であるわけないのですから、出さなくても良い薬を出したりするヤブ医者だっているわけですし、不要な手術を勧める医者だっているかもしれません。

まずは医者の言うことをじっくり聞いてみて、それが自分にとってどうなのかしっかりと自分で判断するべきだと思います。

私は高齢者住宅で6年ほど調理師として働いた経験がありますが、その間に当然何人もの方が施設で亡くなりました。

その経験を通しても、やはり人の生命力と食べることは繋がっていると感じます。

食べる事を諦めない間は、その方にもまだ寿命があると言うことだと思います。

であれば、その寿命が尽きるまで、誠心誠意美味しい食事を愛情注いで作って差し上げるのが、後に残る我々の役割であり務めではないでしょうか。

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