先日ネットの記事で、日本は世界でダントツに寝たきり老人が多い国だという事実を知りました。
多分そうだろうなとは思っていましたが、改めてそうした事実を知ると日本の医療に隠された深い闇が見えてきます。
私の仕事は在宅で介護されている方や訪問ヘルパーさんに対して、食事づくりの面からサポートする事なのでこうした話題を取り上げるのもどうかと思いましたが、今般のコロナ騒動から垣間見えた医療従事者のモラルに関する問題もあり、ちょっと取り上げてみたいと思います。
日本で何故寝たきり老人が多いのか理由は簡単で、無駄な延命治療をするからです。
これについては以前から問題を指摘する方も多かったですし、そのお陰もあり徐々にですが自身や家族の尊厳ある死に方について真剣に考える空気も出来てきました。
ただそうした「命を終わらせる行為」に対しての法律が整備されておらず、救急搬送などされてしまうと、本人が望まなくても延命治療が施され、一度そうした治療が始まるともう誰も止めることが出来ないのが現状です。
さらに問題なのは、こうした治療が病院にとっては「儲かる」案件としてドル箱になってしまっている事です。
今般のコロナワクチンの接種事業でも分かったとおり、「医は仁術」と言うのは建前で、割の良い金儲けの手段として考えている医者が多いですし、今の医療界は製薬会社や検査機器メーカーが落とすお金なしには成り立たない様にされている反面、逆にこうした業界からお金を吸い取られ続けるマッチポンプの様になってしまっています。
つい30〜40年前までは、街中の個人クリニックに高額な医療機器がある事は無かったですし、医者はそんなものを使わなくても患者の状態を診るのが当たり前でした。
しかし今は個人のクリニックでも普通に内視鏡の手術や眼の手術を受けることが出来ますが、こうした機器は高額ですから、開業医も「医は仁術」などと言っていられない現実が作られてしまっています。
個人的な経験をお話しします。
私は以前大腸に大きなポリープが出来て、恐らくガンだろうと診断された事があります。
幸い転移もなく、そのポリープを切除した事で治療は終わったのですが、以降一年ごとに内視鏡検査をするように言われました。
しかし大腸の内視鏡検査は下剤を大量に飲むなど準備が大変で、億劫になってそのままほったらかしになっていたのですが、たまたま自宅近くに消化器内科のクリニックが開業して、大腸の内視鏡検査もやっていたので受けたことがあります。
私が検査を受けた時期はそのクリニックが開業間もない頃で、まだ患者さんも少なくすぐに予約が取れて検査を受けたのですが、検査が終わって医師と話しをしていた時に、「次は胃カメラをやりましょう」とかなり熱心に勧められました。
丁重にお断りして帰ってきたのですが、その時に「色々大変なんだろうな」と思った事は事実です。
出来れば売り上げに貢献してあげたいなと思いましたが、胃カメラを飲むのも肉体的に結構辛いのでやる気にはなりませんでした。
私の様に自分の意思が表明出来る状況なら断ることも出来ますが、お年寄りの場合自分の意思表示も難しい事が多いわけですから、結果的に病院のドル箱にされてしまう事が横行しているわけです。
寝たきり老人世界一という事実が、現在の日本の医療界の問題を象徴していると思います。
今こそ原点に立ち返り、「医は仁術」を思い出して欲しいと切に願います。