寄る年波と健康管理

人が体力の低下を実感する年齢というのは大体何歳くらいなのでしょうか。

もちろん人によって違うのだと思いますし、体力の低下にも色々な段階がある様な気がします。

私の場合は、まず運動することが億劫になる所から始まって、体の柔軟性が無くなってきたことをハッキリと自覚して今に至ります。

体に柔軟性がなくなると、ほんのちょっとした事でもケガをしますし、歳を取ると一度ケガをしたら中々治りません。

さすがにこれではいけないと思い、毎朝軽くストレッチしてから活動を開始するようにしていますが、老化にあらがうことは中々に難しいと感じます。

ところで私は普段、老人向けの施設で調理師として料理を作る傍ら近隣のカルチャーセンターで介護食を教える講座を開いています。

講座は調理実習付きの講座と、座学だけの講座の二種類あるのですが、どちらの講座でも必ずお伝えするのが、老化に伴う体の変化を食事の面でどう補うかといった事です。

生徒として参加下さる方の年齢層は、自分の親の介護が現実味を帯びてくる50代くらいの方が多いのですが、意外と老化と食事の関係についてご存知ないので必ずお伝えしています。

お伝えする中で、一番のポイントは「低栄養を防ぐ」という事になるのですが、これをひらたく言い換えると「カロリーは気にするな」となります。

多くの方は、中年期に太りますのでダイエットしたりカロリーを気にしたりといった生活が染みついた状態で親の介護に突入します。

そうするとどうしてもカロリー控えめメニューを作ってしまいがちなのですが、これがお年寄りにはいけません。

お年寄りの体の変化で一番避けたいのが「体重の減少」ですので、カロリーは逆に多くなる方向を意識した方がいいわけです。

一般的に人間というのは歳を取ると段々と食が細くなり沢山食べられなくなってきます。その分、基礎代謝も低くなればいいのですが、そこはあまり変わらないので結果的にジワジワ痩せることになります。

これが進むと、筋肉量が減少して動作が緩慢になり更に老化が進むといった悪循環に突入してしまいます。

これを防ぐには少ない食事量でもしっかりと栄養を付けられる食事に変えていく必要があるわけです。

介護施設でお年寄りに食事メニューに関するアンケートを取ると、どこの施設でも揚げ物やグラタンなどのこってり系のメニューが上位を占めます。

一般的にお年寄りは脂っこいものは苦手な印象がありますが、実はそうではありません。

こんな所も知った上で、普段の食事を考えてほしいと思います。

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