介護の現場では料理にトロミを付けて提供することがよくあります。そんな場合に重宝するのが市販のトロミ剤です。トロミ剤は色々なメーカーから沢山の種類が発売されていますし、どれも料理の味に影響は与えないのですが、食べた後の唇周りなどにちょっとしたベタベタ感が残ります。施設などでは仕方ない面もありますが、ご家庭では毎回トロミ剤に頼るのでは無く、ちょっとした工夫でトロミ剤を使う頻度を減らすことにトライしましょう。
そこで今日は是非とも覚えていただきたい山芋のとろろの使い方をご紹介します。
レシピの方でも色々とご紹介をしていきますが、ここでは基本的な使い方の知識をご紹介します。
まず、山芋は生でそのまま食べる事が多いですので、必ずその日のうちに消費してしまいましょう。朝使った物が残った場合も冷蔵庫で保管し、夕食でも使い切れなかった場合は加熱料理用にして、翌日以降の生での提供は控えましょう。
若い人なら全く問題なくても、お年寄りのお腹は敏感に反応することがあります。
加熱料理に使う場合は翌日でも大丈夫です。蒸し料理に使ったりお好み焼きやミンチやすり身料理のつなぎに使ったり出来ます。
また、すりおろした状態でそのまま冷凍保存も出来ます。使うときは流水解凍か前日に冷蔵庫に移しておいて翌日使うなどすれば、冷凍前とほぼ同じ状態で利用できます。
さて、それでは最も簡単な「トロミ剤代わり」の使い方をご紹介します。
汁物のお椀にとろろを入れておいて、その上から汁物を注ぎます。味噌汁でもお清ましでもコンソメでもOKです。簡単とろろ汁の出来上がりです。
汁物の味にもよりますが、そのままご飯にかけて食べてもいいですね。口の中でご飯粒がまとまりやすくなり誤嚥を防ぎます。
次に「とろろ蒸し」を覚えましょう。鮭や鯛など加熱しても身が固くなりにくい白身の魚にとろろを掛けて蒸します。とろろが流れてしまうのが嫌なら片栗粉を混ぜるなどすれば蒸し上がりにある程度固まった状態で蒸し上がります。
これに別途トロミを付けた餡を掛けてもいいですし、簡単に醤油やポン酢をたらして食べてもOKです。
魚の身にとろろを絡めながら食べればトロミ剤は不要です。
他にもカブラ蒸しや蓮根饅頭などとろろを繋ぎに使う料理は沢山ありますが、この2つのパターンを覚えておけば色々応用もききます。
別に蒸さずにそのまま焼き魚にとろろを掛けて食べてもいいわけですし。
とろろがあれば別途トロミ剤を出汁で溶いたトロミ液を作る必要はありません。
トロミ液を料理に掛ける目的は、口の中で料理が散らばることを防ぎまとまって飲み込める様にすることです。
とろろでも全く同じ効果が期待できますし、山芋には消化酵素のジアスターゼが含まれています。魚などのタンパク質と一緒に食べることは理にかなった食べ方でもあるんです。