シニアの居場所

核家族化が進んでしまった現在、東京や大阪の様な大都会では子育てを終えた多くの世帯が独り暮らしか二人暮らしになってしまいました。

これは都市部に限らず起こっていることで、田舎の場合は元々三世帯同居の大家族だったのが、子供が都会に出て帰ってこない、あるいは帰ってきても同居せずに別世帯を選んだ場合は結果的に夫婦二人だけの暮らしになり、最後は独り暮らしとなり、それも終わると空き家がぽつんと残るだけとなります。

多くが核家族を選んだ今の社会では、これは予想された事でしたし予想通りの事が起こっていると言えます。

ところで一般的に人間歳を重ねると、朝早く目が覚めるようになります。

一度目が覚めてしまうと、もうそれから寝付くことが出来ないので結局早くから起き出してきて時間を持てあますといった事が起こってきます。

そのせいでしょうか。早朝から営業しているお店に朝早くに行ってみると、ほとんどのお客さんがシニア世代かそれより上の世代です。

面白い物で、男性のお客さんはほぼ例外なく一人で来て本を読んだり新聞を広げたりしていますが、女性のお客さんは誰かと複数で来ておしゃべりしているパターンも見受けられます。

ご夫婦で来ている方も見かけますが、いずれにしても現役を終えたシニア世代より上ばかりが時間を潰しに来ているといった光景です。

そんな事を書いている私も年代的にはアラ還ですし、独り暮らしで早起きなので同じく早朝からあいているお店に一人で出かけて本を読んだりしているわけです。

一頃若い人達の間で「朝活」という言葉が流行りましたが、シニア世代より上の年代の朝活は、こうしたお店などに居場所を見つけて過ごす事だと感じます。

その視点から考えると、高齢者向けの居場所作りというのは、核家族化が進んだこれからの時代にとても必要な事ではないかと感じます。

居場所というのは、何も飲食店に限らずあらゆる業態のお店が元気な高齢者の「居場所」のサポートをする事が出来るのではないかと感じます。

例えばマッサージ店とコーヒーショップを併設して早朝から営業すればかなり繁盛すると思うのですが、どうでしょうかね。

その際、お店の雰囲気などはあくまでオシャレな雰囲気にこだわって年寄り臭くしない事が、逆にシニア世代を引きつけると思います。

現役を引退してから要介護になるまでの10〜20年程度の時間が、その人に与えられたギフトの様な時間だと考えた時、そのギフトを受け取って頂く為の居場所を提供する事も、現役世代は考える必要があるのではと思った次第です。

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