全ての人が長生きしたいと思っているわけではないと思いますが、死ぬまで健康でいたいと思っている人は随分多いと思います。
例えば私の場合、長生きしたいとは全く思っていませんが、最後までずっと健康でいたいとは思っています。
だからと言って何かしら健康を維持するためにやっているかと言うと、全く何もしていません。
毎日好きなだけ食べて飲んで暮らしていますし、これといって運動もしていません。強いてあげればスーパー等に買い物に行く際、なるべく歩いて行く様にしているくらいでしょうか。ただそれも歩くのが好きだからやっているだけなので健康の為と思って歩いているわけではありません。
こんな日々がいつまで続くのか勿論誰にも分からないのですが、最近ふと思う事があります。
それは老人になると言うことについて、今から覚悟を決めておこうという事です。
私はお年寄りの介護施設に日常的に出入りしていますので、要介護状態のお年寄りがどんな生活を強いられているかよく知っています。
施設にもよりますが、かなり悲惨な状況で日常を過ごさざるを得ない人を沢山見ています。
ただ傍目に可哀想に見えていても、本人的には至って前向きで淡々とそんな日常を受け入れている様に見える方もいらっしゃいます。
逆にいつも辛そうにしている方もいらっしゃって、体の残存機能の多さとそうした事の違いはあまり関係ないと感じます。
つまりほとんど自分では何も出来ない状況の方でも幸せそうに見える方がいるかと思えば、何とか自力で移動出来る状況であっても暗い表情の方もいると言うことです。
この違いがどこから生まれるか考えた時に、先に記した「覚悟」ではないのかなと最近思うに至りました。
別の言い方をすれば「前向きな諦め」とでも言いましょうか。
歳を取ると言うことは、出来ていたことが出来なくなるという事でもあります。
昨日まで自力でお風呂に入れていたのに、ある日突然風呂釜から独りで出る事が出来なくなったら、もう翌日から独りでお風呂に入ることは出来ません。
つまり老化とはそうした事の積み重ねです。そうした事が起こる度に、その事を受け入れるのか、それとも嘆き悲しむのか。
当人にしてみたら相当にショックな出来事が毎日毎日起こってくる訳です。
結局、いつまでもアンチエイジングなどと言っていては、幸せな老人にはなれないと言うことです。いずれどこかで「覚悟」を決めて老いと向かいあう時がやって来ます。
そして自分にとって、その日が確実に近づいてきているなと感じる今日この頃です。