以前に、プロの調理師さんが厨房でよく使うちょっとした裏技的な事を記事にしました。
今回はその第2弾なのですが、お酢の意外な使い方をメインに記事にしてみたいと思います。
ただ、ご家庭ではこの事を知っていても実際に使うシーンはあまりないと思われますので、まぁネタ程度に読んで下さい。
私は介護食の専門家ですので、実際に調理する現場としては老人ホームなどの施設が多いのですが、その場合「大量調理」というカテゴリーの調理を行う事になります。
そうした場合、麺類に関してはどうしても茹でたてを提供するといった事が出来ません。
特に温冷配膳車を使って配膳する場合には、あらかじめトレイに全ての食事をセットしておく必要がありますので、どうしても作ってから実際に食べる人のところに届くのに時間がかかってしまいます。
ちなみに「温冷配膳車」をご存知ない方の為に説明しますと、給食を運ぶトレイに料理を乗せる際に左右どちらかを「温」と「冷」に区分けして保温出来る機材の事です。
とても便利なモノで、熱い味噌汁と冷たい酢の物などを一緒にトレイに乗せて保温しながら食べる人の所まで運ぶことが出来ます。
話しを戻します。
例えばその日の献立が温かい蕎麦だったとしましょう。その場合は、丼に茹でた麺を入れたら出汁をかけてしまって温冷配膳車などで配膳時間まで保温する事になります。
当然、麺は汁を吸って伸びきってしまいます。
それでは困るからと、施設によっては配膳担当の方が出汁を別でポットに持って行って、その場で出汁を掛けて提供して下さる場合もあります。
そうした時でも、茹でた麺を丼の中でラップをして保温しますとどうしてものびてしまいます。
こんな時に、少しでも麺が伸びるのを抑えるのに実はお酢が使えます。
水の分量に対して0.5%程度の酢を加えたお湯で麺を茹で、水で締めると若干ですが麺が伸びるのを抑えることが出来ます。
もう一つは、魚の臭みを抜くのにもお酢を使います。
ご家庭ではそんなに臭い魚を使う事はないかと思いますし、それは施設の厨房でも同じなのですが、大量に調理する上に使う魚はほぼ冷凍物になりますので、上手に解凍出来なかったりすると時々生臭い匂いがする事があります。
そんな時に5%の酢を混ぜた酢水を作り、解凍した魚を1時間ほど漬け込みます。
そうすると臭みはほぼ抜けてしまいます。
ご家庭でも冷凍庫の奥の方からいつ買ったのか分からない魚が出てきた時に覚えておくといいかもしれません。
今回は、お酢の裏技的な使い方をご紹介しました。