自分の親や家族が要介護になり、誰かの助けが無いと生活出来なくなった時、提供する食事が介護される人の今後の生活を左右すると言っても過言ではありません。
これは私が調理師だから余計にそう感じるのかもしれませんが、人の体は食べたもので出来ていますし食習慣がそのまま健康に直結するのは事実です。
私の亡くなった義母の話です。
若い頃の義母はスラリと長身でスタイルも良く足の長い人でした。それが晩年はどんどん背中も曲がり背骨の圧迫骨折なども繰り返し、とうとう寝たきりとなりましたが原因は骨粗鬆症でした。
義母は料理が苦手な人で、家族に食べさせる必要のあった頃はそれなりに料理もしていたのですが、子供達が独立し夫に先立たれ独り暮らしとなってからはかなり適当な食生活だった様です。
お腹が空いたら目の前にあるもの何でも適当に食べてそれでお終いにする様な事は平気な人で、食事がお菓子だけなどという事も普通な人でした。
そんな風でしたから、最初に骨粗鬆症が原因の骨折をしてからは坂道を転げ落ちるように普通の生活が送れなくなっていきました。
掛かりつけのお医者さんが骨粗鬆症の薬を処方してくれるのですが、これが効いた様には見えませんでした。
最初の骨折を起こしたときのことはハッキリ覚えているのですが、その日は私の息子、義母にとっての孫が義母の家に遊びに行っていました。
それで何時間か義母宅で過ごして帰ってきたのですが、息子が帰ってきてすぐに義母から電話がありました。
何か息子が忘れ物でもしたのかと思ったら、急に立ち上がれなくなってしまったから来てくれないかという電話でした。
あわてて妻と二人向かったのですが、どうしても足にチカラが入らず立ち上がれません。結局そのまま何とか車に乗せて病院に運び込みすぐに入院となりました。
結果は大腿骨の骨折で、立ち上がろうとした瞬間に折れてしまった様です。勿論原因は骨粗鬆症。
結局人工関節をする事になり、その後は要介護となりました。それで私たち家族が同居する事にしたのですが、同居して以降は私が食事の用意を担当して色々食べさせましたが時既に遅しです。
すぐに寝たきりになる事はありませんでしたが、外に連れ出すときには車椅子が必須になりました。
この体験を通して、やはり人の体は食べたもので出来ているのだなあと改めて思ったのですが、これは普段の生活習慣が大いに関わってきます。
自戒の意味も込めて義母のエピソード書かせていただきました。