昔の医者と今の医者

私は田舎の空気の良い所で育ったのですが、にも関わらず子供の頃ひどい小児喘息でした。

今では喘息をコントロールする良い薬がありますが、私の子供時代にはそんな薬はなく、発作が起きても咳止めを処方されるだけで、自宅でじっと耐える以外に出来る事はありませんでした。

そんな状態ですから、学校にもなかなか続けて通うことが出来ず、大体1か月に一回ほどは大きな発作を起こしては寝込んでいました。

今思い返しても、小学校の頃にスカッと体調の良かった記憶がほとんどありません。

常にアレルギー系の何かの症状と慢性の頭痛に悩まされる毎日でした。

そんな風ですから、子供の頃は随分と医者にお世話になったのですが、医者も昔と今とではかなり変わりました。

昔の医者というのは、患者の体を触らずに診察を終えると言った事はまず無かったのではないでしょうか。

聴診器を胸や背中に当てるのは必ずされるお約束でしたし、脈を診る先生も多かったと思います。

他にもその時の症状に合わせて体のあちこちを触ったり叩いたりされたものです。

これが最近の医者になりますと、聴診器をあてられる事はめっきり減りましたし、最初から最後までパソコンの画面だけ見て患者の顔を一度も見ずに診察を終える医者が結構います。

患者の顔色や状態を実際に見て判断するのではなく、検査の数値を見て判断する事が主流になっているので、そんな診察が成り立つわけですが、診られる方としてはちょっと不安にもなります。

薬に関しても、昔の年寄りは今の年寄りみたいに大量で多種類の薬を毎日飲むと言った事はしていないのが普通だった様に思います。

しかし今では、薬を飲まない年寄りの方が珍しくなってしまいました。

今では「お薬手帳」を持つのが当たり前ですが、昔はそもそもそんなモノは必要ありませんでした。

私が中学生の頃、自宅まで祖母の診察に来て下さる医者がいました。

この先生は一応診察に来ているのですが、祖母とおしゃべりする事の方が大事な仕事といった感じの方で、最後に薬を少し置いて帰られます。

しかし、祖母が薬を飲み忘れたりすると前回置いて帰った薬が残っているわけです。

先生がそれを見つけると必ず、「薬を飲み忘れると言うことは、体が元気になってきた証拠だ。結構結構」といって、新しい薬は出さずに帰ってしまうといった先生でした。

祖母も先生にそんな風に言われると本当に元気になった気になったのでしょうね。いつも喜んでいたのを覚えています。

これが今の医者だったら同じ事を言ってくれるでしょうかね。逆に叱られるのではないでしょうか。

どちらが良いか悪いかの話しをするつもりはありません。

ただ私は、薬を飲み忘れたことを喜んでくれる医者に診て欲しいなと思います。

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