我々が日々作る料理には当然すべてに味が付いているわけですが、人が感じる味と料理の温度の関係についてご存知でしょうか。
例えば塩味は温度が低い方が強く感じます。冷やしてから飲むタイプのスープを作る場合にはその事を頭に入れて味つけをする必要があります。蕎麦やそうめん等のつゆを作る場合にも少し意識した方がいいかもしれません。
甘味は体温くらいの温度帯で一番強く感じると言われていまして、そこから離れるほど感じにくくなるとされています。そうするとキンキンに冷たいアイスクリームなどはどっさり砂糖を入れないことには甘くならないという理屈になりますね。
ところで以前こちらの記事でも書きましたが、塩味に関しては温度だけではなく年齢でも感じ方が変わってきます。
一般的には70歳あたりを境目にして感度が悪くなりますので、お年寄りは熱いみそ汁よりぬるいみそ汁の方が味をしっかり感じられるかもしれません。
理屈でいくとそうなるのですが、温度も味のうちですからそんな訳にもいかないですね。
ちなみに酸味は温度による感度の差はあまりなく、苦みは体温くらいが最も強く感じ高温になると感じにくくなるとされています。
ただ、「味」というものは温度はもちろん食べるときの環境だったり気分や体調などにも左右されるのは当然です。
そう考えると、料理を作って誰かに提供するという作業がいかに総合的な感性を必要とするか分かるというものです。
普段何気なくやっている調理という作業の中に、気配りや思いやりなどが加味されて、それが味つけにも影響を及ぼす。料理は本当に奥が深いです。