もっちりを食べやすく

お年寄りに限らずですが、お餅や芋類などは皆が大好きな食べ物です。

ただ、こうしたもっちりとした食べ物は塊で喉を通過しがちな為、運が悪いと喉に詰めてしまいますので、嚥下機能の衰えたお年寄りには危ない食べ物に分類されてしまいます。

特にお餅は実際に喉に詰めて亡くなるかたも多いので、老人向けの介護施設などでは出してはいけない食材となっています。

お正月のお雑煮にしても、粘りの無い介護食用のお餅を使うか、お餅の入らない汁物を「雑煮」として出すかのどちらかになります。

介護施設ではこうした事も仕方ない面がありますが、ご家庭ではやはり何とかして食べさせてあげたいと考えるのが人情というものです。

そこで今回はお餅も含めた「もっちり食材」を食べやすくする工夫をお話しします。

まずお餅も芋類もパン類も全てに共通してやってほしい工夫は「小さくする」です。

具体的にはティースプーンに乗るくらいの大きさまで小さくして下さい。

その上で、一度に沢山口の中に入れない様に注意して下さい。

この二つをするだけで喉に詰める事故のほとんどは防げると思います。

そしてお餅に関してですが、雑煮などの汁物に入れて食べる事はなるべく避けていただくのと、きな粉をまぶして食べるあべかわ餅も避けるべき食べ方とされています。

餅の食べ方としては、大根おろしをたっぷりのせて食べる「おろし餅」なら比較的安全で食べやすいと思いますし、お餅を食べた実感も感じていただけると思います。

芋類に関しては、焼き芋や粉ふき芋など口の中の水分を吸収するタイプの料理の場合は必ず、水やあまり熱くない汁物などと一緒に提供して下さい。

煮物の場合はそこまで気を使う必要はありませんが、小芋が丸ごと入っている様な場合は、お年寄りの分だけ小芋をティースプーンに乗る程度まで小さく切ってから盛り付けましょう。

パン類もお年寄りは大好きです。介護施設の朝食でもパンは普通に提供します。

ですのでそんなに神経質になる必要はありませんが、一度に沢山口に入れたりすると喉詰めを起こす可能性のある食材です。

介護施設同様にご家庭でも普通に食べれば良いのですが、スープや牛乳などに浸して食べる習慣にするとパンで喉詰めを起こす事はなくなります。

他にもコンニャクやゼリー系のお菓子などあげれば色々ありますが、ご家庭で介護されている場合、食事は「楽しむ」事を基本に考えてあまり神経質にならない事が大切です。

介護施設だと事故が起こったときの責任問題を考えて事前に危険な要素を取り除くことも致し方ないですが、家庭でそれをやり過ぎると食事が味気ない物になってしまいます。

要介護のお年寄りにとって、一日三度の食事は何よりの楽しみですし一日の中の大きなイベントです。

人間は死ぬまで食べる事をやめられないのですから、美味しさと楽しさを基本にする事が何より大切だと思います。

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