問題老人の未来

介護関係の仕事をしている方なら誰でも経験があると思いますが、あまりにも問題が多すぎてとても面倒を見ることが出来ない人というのが時々いらっしゃいます。

こういった方は、たいていすぐに施設側から退所を言い渡されて出されてしまうのですが、専門の施設でも面倒が見きれない人を家族だけでケア出来るわけもなく、結局すぐにまた別の施設を探してきて入所させてはすぐに退所といった事を繰り返す事になります。

そんな中、先日とても印象に残る発信をX(旧Twitter)で見てしまいました。

その内容ですが、最近ではこうした問題の多い老人に対して施設側が昔ほど我慢して受け入れてくれなくなったという内容です。

以前なら何とか我慢して受け入れてくれた場合でも、最近は最初から受け入れない選択をする施設が増えてきているのだそうです。

というのも、施設側の責任回避の姿勢が段々と強くなってきていて、問題を起こす可能性の高いこうした人達は、最初から排除した方が施設には都合が良いからだと言うのですが、世知辛さを感じてしまいます。

これは以前聞いた話しで直接見たわけではないのですが、認知症の方で食欲の感覚がおかしくなっている方がいて、目に付いたモノを手当たり次第食べようとする方がいたそうです。

利用者に提供するためにトレイに並べて準備された食事を調理場までやってきて食べてしまうのだそうです。

勿論そんな事をされては困ってしまいますので、手が届かない様に置き場所に工夫したそうですが、それでも何とかして食べようとするので仕事にならない状態が続き困り果てたという話しです。

結局この方の場合は、施設がすぐに身内の方に連絡を入れて退所してもらったそうですが、身内の方の状況や気持ちも分かるだけに複雑な気分になってしまいます。

こうした問題老人は認知症の方が圧倒的に多いので、問題を起こす当人にいくら説明したところで行動が改善されることは中々期待出来ませんし、それを家庭で介護する家族の方の苦労たるや想像を超えるモノがあると思います。

いま日本は「高齢化」という事に関しては世界の最先端を走っています。

数年前に問題視された老老介護など、今では当たり前になっていて家庭での介護に限らず施設の介護士さんの年齢も高齢化が進んでいます。

老老介護で大変だから施設に預けたらそこもやっぱり老老介護だったという笑えない現実がすでにあります。

高齢化の行き着く先に、明るい未来は中々見えてこないようです。

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