こってり食のススメ

若い頃はいくらでも食べられたお肉や揚げ物も50代にさしかかる頃から段々と胃にもたれるようになり沢山食べられなくなります。

ごく自然な老化現象なので気にする必要はありませんが、もし体重が落ちてきているようなら少し気にする必要が出てきます。

最近ではちょっぴり太めの人の方が長生きする事が分かってきたのと、痩せすぎはサルコペニアにもなりやすく老人にとって体重の維持はそのまま「健康寿命」の維持につながるからです。

やはりいつまでも自立した生活を送りたいと思うのが人情ですからね。

そこで調理師で介護食士でもある私からの提案が「こってり食のススメ」です。

「こってり食」と言っても別に脂でギトギトの食事をしましょうと提案しているわけではありません。

普段の献立の中で少しだけカロリーを意識して欲しいという提案です。

「カロリーを意識」と書くと、若い人なら低めに抑えて摂りすぎに気をつけるという風に考えがちですが、お年寄りの場合は逆になります。

加齢によって消化吸収する能力が落ちてくるので、同じだけ食べても若い人に比べて身につきません。にも関わらず食べる量も少なくなりますから、放っておくとジワジワと体重が減少していたなんてことになってしまいます。

これを防ぐには、少ない量でもカロリー高めでタンパク質が豊富な食事を摂る事なのですが、最も手っ取り早くカロリーをあげてくれるのがマヨネーズなどの脂を使った調味料です。

例えば、固ゆで卵の黄身は口の中の水分を吸収するのでお年寄りには不向きですが、潰してマヨネーズで和えてしまえば一瞬で喉越しの良いお年より向け食品に早変わりです。

卵はとても優秀なタンパク源でもありますから朝食にマヨネーズで和えたゆで卵を食べる習慣にすれば体重減少の防止策の一つになります。

お豆腐を冷や奴で食べる場合でも、お醤油と一緒にオリーブオイルやごま油を掛けて食べるだけで効率良くカロリーアップ出来ます。

焼き肉やトンカツが胸焼けして食べられないなら、脂の乗ったバラ肉やすじ肉をやわらかく煮込んでいただきましょう。一緒に大根やゴボウなどの根菜類も煮込めば食物繊維も同時に食べられます。

こんな風に、頭の中に若い頃とは「逆」の考え方を持つだけでカロリーアップは簡単に出来ます。体重を維持するために頑張って沢山食べる必要はありませんし無理に食べるのは辛いことです。

好きな物を好きなだけ食べるのがいいのですが、そこに少しだけカロリーアップの工夫をしてみてはいかがでしょうか。

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