加工食品と介護食

これから要介護となっていく世代は核家族世帯が中心となります。一世代前なら三世帯同居でしたからお年寄りに介護が必要となった時も家の中に若い人の手があったわけですが、もうこれからは老老介護が基本になります。

にも関わらず国の方針は施設の利用は控え自宅で介護しましょうとなっています。

つまり特養や老健などの安く利用できる施設を今後税金を使って充実させていく予定はない代わりに介護保険のサービスを使ってしのいで下さい、どうしても施設に入りたければ割高な民間の有料老人ホームを使って下さいという事です。

勿論、お金に余裕がある人はそうすれば良いですが、そうもいかない場合は結局自宅で老老介護するしかありません。訪問介護などのサービスを使うことも出来ますが、こうしたサービスはごく短時間身の回りの事をしてくれるだけですし、契約した内容以外のサービスをその場で臨機応変にしてくれるかというと、それで何か問題が起こった場合に責任が取れないという理由で受けてくれません。

やはり大きな負担が家族にのしかかってくる構図になっています。

そうした負担の中でも、一日三度の食事の準備は大変な部類に入ると思います。

要介護の状態になると外出もままならなくなるわけですから、楽しみは食べる事に集中しがちですし、介護する側もそれが分かっているので頑張って美味しいものを作ろうと思うわけですが、老老介護になると普段の介護に体力を削られて食事の準備が辛く感じるようにもなってきます。

そんな時に覚えておいてほしいのが、缶詰やレトルトパック食品などの加工食品を上手に利用することです。

当サイトのレシピ(こちら)でもご紹介していますが、例えばイワシやサンマの味付きの缶詰を汁ごと鍋で温めて卵でとじたらそのままご飯にかけて丼に出来ます。

レトルトパック食品も探せば色々な種類が出回っていますから、食べやすそうなものをいくつか常備しておいて時間が無いときに利用すると手間が省けます。

例えば豚の角煮のレトルトパックなどはとてもやわらかいですし、お年寄りに不足しがちなタンパク質と脂質が摂れますのでおすすめです。

冷凍食品も今では本当に沢山の種類が出回っていますし、冷凍食品はお弁当を意識した商品が多いので、ちょっと一品追加したい時などに簡単に一人前だけ使う事ができるので便利です。

嚥下機能や噛む力が衰えたお年寄りに提供する食事は「やわらかくしっとり仕上がったのど越しの良い料理」が基本になりますが、実は缶詰などの加工食品にはそうした条件を満たしているものが多いんです。

加工食品を上手に使って毎日の食事に役立てるのも大切な知恵のひとつと言えます。

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