施設の料理は意外と普通

お年寄り向けの施設は色々なタイプがありますが、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などで提供される食事は意外と普通なモノが多いのをご存知でしょうか。

何となくイメージ的には、お年寄りでも食べやすいモノを選りすぐって提供していると思われるかもしれませんが、全くそんな事はありません。

勿論、歯が悪い方や嚥下が悪い方には小さく切ったり刻んだり、或いはトロミ液を付けて提供するなどしますが、そうした問題の無い方に対しては、全く普通の食事が提供されます。

ただ、そのままだと危険な食材を使う場合に限ってひと手間工夫をします。

例えば、サラダにプチトマトを使うとなった時には、そのまま付けると喉詰めを起こす可能性もありますので、必ず半分にカットして提供します。

もちろん人数分全てカットしますので、結構な手間になりますが、そうした手間は惜しまずにやるのが普通です。

イメージ的に噛むのが大変そうな肉料理も普通に提供されます。

ただ、これも場合によっては酵素の液に漬け込んで柔らかくする下処理をする事もあります。

この処理をするかどうかは現場によって様々で決まっている訳ではありません。

元気なお年寄りが多い施設ではそのまま提供しますし、それで何も問題は起こらないのが普通です。

これは献立を考える栄養士さんに若人が多いので、実感としてどんな献立がお年寄りにとって食べやすいのか分からないのも原因のひとつなのですが、私は悪いことだとは思っていません。

有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅に入居しているお年寄りは、先々の事を考えて元気な内にそうした施設に入ってくる方が多いわけですが、施設に入った途端にいかにも「老人食」といった風情の食事ばかりだと嫌になってしまいます。

今まで通り、普通に食べて飲んで楽しみたいのが人情ですから、多少硬くてもいいですし、脂っこいものでもいいのではと思います。

実際にこうした施設で食事に関してアンケートを取ると、揚げ物やグラタンなどのコッテリ系のメニューが必ず上位に来ます。

一般的に若者向けと思われているメニューでも、今のお年寄りは結構喜んで食べてくれるんです。

今の80代くらいの方は、日本の食卓が一気に欧米化した終戦後に育ってきた方達なのでコッテリ系のデミソースやホワイトソースを使った洋食メニューも好きですしパンやパスタも大好きです。

自宅で介護生活をされている方も、要介護だからと言って特別な事を考えずに、自分が食べたいモノを普通に作って食べてもらえば良いと思います。

その中で、段々と苦手なモノや好きなモノが把握出来てきますので特に難しい事を考える必要はありません。

在宅介護生活というものは終わりの見えないマラソンレースに参加している様なものですから、介護する方もされる方も、心に余裕を持って生活出来る様、あれこれ考えすぎないことが大切だと思います。

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