夏と梅干しとクエン酸

梅干しを自家で作っている方が一体どの程度いらっしゃるのか分かりませんが、スーパーで売っている梅干しと自家で作る梅干しが全く別物だという事は何となく理解している方も多いのではないでしょうか。

スーパーで売っている梅干しの原材料表示を見ると、食塩よりも先に果糖ブドウ糖液糖が書かれていることが多いです。成分表示は使用量の多い物から順に書く取り決めになっていますので、つまり砂糖の方が塩よりも多く使われているのがスーパーで売っている梅干しと言えます。

これはもう日本人の伝統食としての梅干しとは言えないと思います。

普通は自分で梅干しを作る時に砂糖は使いません。塩分を抑える為に焼酎を使う事はありますが、基本は塩だけです。

塩分濃度20%で作った梅干しはカビも生えませんし、それこそ何年も常温で保存が出来ます。

今は住環境の問題で天日干しがちゃんと出来ないので梅干しは作っていませんが、以前は私も毎年梅干しを作っていました。

しっかりと塩を使って天日に当てた梅干しは、最初は塩味が強すぎる感じがしますが、三年ほど寝かせると塩が柔らかく感じられるようになり美味しくなります。

こうした本物の梅干しをお弁当のご飯の上に一つ置いておくと、夏の暑い時期でもご飯が傷まずに食べられるのですが、スーパーの梅干しにそういった効果が期待出来るかは微妙な気がします。

ところで梅干しに含まれる栄養素の代表と言えばクエン酸です。酸っぱい味の元になるのがクエン酸ですので、梅干しが酸っぱいのはクエン酸がたっぷり入っている証拠とも言えます。

同じくクエン酸が豊富な食べ物にレモンがありますが、やはり酸っぱいですね。

夏に酸っぱいモノが美味しく感じられるようになるのは、このクエン酸に疲労回復効果があるからで、酢の物なんかも冬より夏に食べたくなる料理ですから身体はちゃんと必要な栄養素を知っていると言えます。

更にはクエン酸には血液中の血小板が集まって塊になるのを防ぐ働きもあるのだそうで、つまり血液がドロドロになるのを抑えてくれるわけです。

大量の汗をかく夏場は血液もドロドロになりやすい季節ですから、そうした意味でもクエン酸は夏に欠かせない栄養素だと言えます。

ちなみに塩だけで漬けた梅干しはネットで探せば沢山あります。決して安くはないですが、こうした伝統食品の作り手さんには本当に頑張って欲しいと思います。

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