食べられないのが当たり前

施設での介護の場合、一日の中で食事の時間はある程度決められているのが普通です。

ところが、要介護度が上がってきてベッドで寝ている時間が増えてくると、食事の時間に食べたがらない方も増えてきますし、食べたとしても決まった食事時間で食べきる事が出来ずに結局ほとんど残った状態で下膳されてしまうといった事も多々あります。

施設での集団生活となると、それも仕方ない面があるのですが、預けた家族としては釈然としない事もあるのではないでしょうか。

これが自宅で介護していたとしても、働きながらの介護だったりすると、結局訪問ヘルパーさんに来ていただく事になりますし、そうなるとやはり時間の制約からは逃れられません。

ところが、お年寄りの中には、時間さえかけてあげれば充分な量の食事が摂れる方が結構いらっしゃいます。

それこそ一回の食事に1時間くらいかけてあげれば完食出来る方は実際に沢山居るわけです。

口からの食事をちゃんとした量で摂れるようになると、身体はしっかりそれに反応して元気になってきます。

赤ちゃんが食事中に寝てしまう事はよくありますが、お年寄りも同じです。寝ているように見えても目が覚めたらまた食べ始めたりしますので、状況が許せばじっくりと見守って食べさせてほしいと思います。

と、書くのは簡単ですが、実際に食事の介助にそこまで時間をかけられないのが普通です。

だからと言って、枕元に食事を置きっぱなしにするのも食中毒などの問題も出てきますのでおすすめ出来ません。

結局どこかで見切りを付けて下膳するしかないのですが、そうすると一回の食事でいかに効率良く栄養を摂ってもらえるかを考える必要が出てきます。

こうした場合にはあれこれ難しい事を考えずに、タンパク質主体に考えて献立を考えましょう。肉体の維持には何と言ってもタンパク質が必要ですから、ビタミンとかミネラルなどは一旦脇に置いておいて、真っ先にタンパク質を食べてもらえる献立を考えます。

その場合、一番おすすめなのは卵です。

タンパク質と聞くとすぐに思いつくのは肉や魚だと思いますが、食べやすさやアレンジのしやすさなど諸々考えても卵はダントツに使いやすい食材です。

例えば、野菜を細かく刻んで具沢山の味噌汁を作り、そこに卵を落として半熟程度に加熱したものなら、そのまま汁ごとご飯にかけて食べても美味しいと思いますし、バランスもある程度とれた食事になります。

市販の温泉卵を常備しておき、ちょっとした煮物などにも温泉卵を添えるようにすればタンパク質を簡単に追加出来ます。

加齢とともに段々と食べられなくなる事で、介護する方も不安になるものですが、ちょっとした工夫で効率の良い栄養摂取を心がけていただければと思います。

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