麺類を一口で食べられるギリギリの長さとは

介護施設の厨房で働いていますと、当然献立にうどんや蕎麦などの麺類も登場します。

実は麺類はパンやお寿司と並んで大好きなお年寄りが多いメニューの一つです。

これらを介護食の視点で見たときに、パンは喉に詰まらせる可能性のある食べ物になりますし、お寿司も口の中でまとまりにくい献立の一つです。麺類も長い麺をすすり上げて食べる事が難しい方も多いので難しいメニューになってしまいます。

つまりお年寄りの大好きな食べ物は軒並み「危険な食べ物」の範疇に入るものばかりです。

ただ、そんなうるさいことを言っていたのではお年寄りの生きがいを奪う事になりかねませんし、これらを外してしまうと日々の献立がバラエティーのない味気ないものにもなってしまいます。

そんなわけで当然どこの施設でも普通に提供するのですが、体の機能的にどうしても長い麺を食べるのが難しい方もいらっしゃるので、介護士さんからそうした方の分だけ麺を短く切って出すようにオーダーが入ることがあります。

こうした場合、麺をスプーンですくってそのまま口に運べる長さ(1センチほど)にカットして出す事もあるのですが、これだと当然「麺」を食べている気持ちにはなれません。

料理を提供する調理師としてはなるべく美味しく食べていただきたいと思いますし、麺類を食べている実感を持って欲しいと思います。

それで一度担当の介護士さんに麺類をカットして提供する場合、どの位の長さなら何とか無理せず「ちゅるっ」と口の中に入れることが出来るだろうか聞いたことがあります。

早速介護士さんが入居者の方に聞いて下さったのですが、10センチから15センチ程度なら何とか「ちゅるっ」といけるのでは無いかとの事でした。

そうめんの長さがだいたい20センチほどですので、そうめんを半分にした程度かそれより少し長いくらいがギリギリといった事になります。

自宅で誰かを介護されている場合にも、麺類を作ることがあると思います。

もし長い麺を食べにくそうにしていたら、いきなり細切れにするのではなくこうした事も参考にしていただけたらと思います。

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