先日、介護と予防に関する勉強会の様なものがありまして、私も生徒として参加してきました。
講師の方の話しが終わって、最後に30分ほど質疑応答の時間があったのですが、要介護4の奥様を在宅介護中とおっしゃる男性が色々質問をされました。
その中で、月末に請求されるお金の話しもあったのですが、デイサービスの施設からの請求で一番金額が高いのが食費だとおっしゃっていました。
ご存知の方も多いと思いますが、介護保険では原則食費はカバーされません。
この男性はデイサービスの食事代が一回あたり750円との事でしたので、10回利用で7500円。20回利用したら15000円です。
実際は20回も利用する事はあまりないかと思いますが、いずれにしても結構な額になるわけです。
だからと言ってデイサービスを利用しないと家族が休めませんし、これは致し方ない部分だと思います。
ところで介護食を施設で作って提供している私から裏話をさせていただきますと、この食事代にも施設はちゃんと利益を乗せています。
もちろん街場のレストランの様な率で利益をのせているわけではありませんが、原価で提供しているわけでもありません。
施設から食事づくりを委託されている給食業者は、業務委託費の名目で施設からお金を受け取りますが、これと別に普通のレストランと同じ様に提供した食数×契約単価でも支払いを受けます。
その時に、先の例だと施設は利用者に750円で食事を提供しますが、施設は委託業者から750円より安い値段で仕入れをします。
例えば400円で仕入れたとすれば施設は1食あたり350円の利益が出るのですが、委託される業者も当然利益を乗せますから、原価率50%で作ったとしても実際には1食あたり200円程度の食材で食事が提供されている事になります。
施設の食事が美味しくないという話しは良く聞く話しですが、一回200円程度の材料でどうやって美味しく作るのか、中々難しい努力を強いられている事は知っておいていいと思います。
実は一食200円というのは給食業界ではごく普通の金額になり、特に安いわけではありません。これより少ない金額での食事提供を余儀なくされている例はいくらでもあります。
施設を利用する側としては、いつも利用する施設は食事代が安いから嬉しいわ、などと喜んでいると、知らず知らずのうちにとんでもない粗悪品を食べさせられていたなどとなりかねません。
私は施設の回し者でも給食業者の回し者でもありませんが、食事は健康に直結します。
施設を選ぶ際には、必ず一度は食事を食べてみることをおすすめします。