施設での幸せな過ごし方

誰でも最後には誰かの世話にならないと生活出来なくなるわけですが、老人向けの施設に入居すると言う事は誰かの世話になる覚悟を決めて入居されるのだろうと思います。

既に要介護状態で入居する場合は別として、一般の有料老人ホームに入る場合にはまだまだ元気で自分の事は自分で出来る状態で入居される事が多いと思います。

入居時に「自立」である事を条件にしている老人ホームも多いですしね。

そうやって元気な内に入居しても、ふと視線を転じれば要介護状態の方が多数同じ施設に同居しているわけですから、元気なお年寄りにとっては心中なかなか複雑なものがある様です。

現在私が関わっている施設では、自立の方と要介護の方はフロアを分けてお互いがあまり接触しない様な構造になっています。

食事に関しても、要介護の方と自立の方は別々の食堂で食べる様に配慮されていますが、これは自立と要介護双方への配慮だと思います。

入居者の方から直接聞いたわけではありませんが、ずっと自立で暮らしてきた人が、段々と要介護に近づいた時に、中々自分を要介護だと認めたがらないのだそうです。

これは家庭で介護されている場合と逆の反応で、在宅介護の場合は要介護と認めて貰った方が介護保険も使えて助かるので、同居する家族の方が要介護認定を勧めることが多いのですが、施設の場合は同居人もいない場合が多いですからいつまでも「自立」で頑張ってしまうと言う事だと思います。

その事自体は私は悪いことではないと思うのですが、あまり頑張りすぎてしまうと実際に要介護認定されてしまった時に精神的に落ち込まないかと心配します。

結局人間という生き物は、心の持ち方ひとつで実際の健康状態まで変わる生き物ですから、要介護という現実を突きつけられたときに、一気に老化が進むのではないかとも思います。

何かの本で読んだのですが、自覚症状がない状態でも精密検査をするとガンが見つかる事がありますが、検査を受けずに放っておくと自然に治癒してしまう事の方が多いと考えられるのだそうです。

つまり検査をして見つけてしまったばかりに自分はガン患者だという自覚が出来てしまい、結果的に本物のガン患者になり、それまで無かった自覚症状が発現するといった流れです。

病は気からという現実がここでも見て取れます。

そう考えると、歳を取って老人ホームに入ったら、あまり気張らずに一つ一つ出来なくなっていく事実を受け入れて、淡々と介護士さんのお世話になるのが実際の体の健康にも一番良いのではないかと思います。

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