人という生き物は面白いもので、年齢によって食べるものの嗜好が少しずつ変化していきます。
他の生き物にはこうした事はあまりなく、草食動物が急に肉を食べ出すような事は起こりません。
ところが人間の場合は、子供の頃大好きだった物が大人になってから食べられなくなったりだとか、逆に苦手だったものが好物に変わる事も良くある話しです。
私は学者ではないのでなぜそうなるのかは分かりませんが、こうした嗜好の問題は感覚の問題なので本人にも何故そうなったのか理由など分かりません。
ただ、一つ言える事は、人も動物と同じ様に食べる事に関しては「感性」が基本になっていて、普段から何となく「カラダが求めるものを食べたくなる」のではないかと思います。
そのまま素直にカラダの求めに応じて食べ続けた結果、どんどん健康体になり病気知らずのカラダになれるのならば問題は無いのですが、人間の場合そこに「生活習慣」だったり「脳」の問題が絡んでくるので話しはややこしくなります。
「脳」の問題というのは、例えば依存症と呼ばれる病気がある様に、脳が欲しがるものがカラダにとって良い物とは限らない事です。
脳とカラダの求めるものが一致していれば、人間界に麻薬と呼ばれるモノは存在しないはずなのですが、脳の大好物がカラダには毒といったものが世の中には随分と存在します。
こうした「脳のワガママ」をしっかりと見抜き、カラダを良い状態にする食べ物を知るためには、面倒でも少しだけ知識を仕入れる必要が出てきます。
特に中年期以降は、カラダが求める食べ物も若い頃と違ってくるので、一旦頭の中をリセットして、食習慣を見直す必要があるのですが、ほとんどの場合、若い頃の食習慣をそのまま続けてしまって色々問題を抱えてしまうのが人間という生き物です。
私の場合ですと、特にスポーツをやっていたわけでもないのに、とにかく大食いでした。
痩せの大食いを地で行くパターンだったのですが、徐々に基礎代謝が落ちているにも関わらず同じ量を食べ続けていたのである時期から急に太りだしました。
それだけではなく、当時抱えていた持病も悪化してしまったので仕方なく食生活を変えた事があります。
そのお陰で体重も元に戻り、長年苦しんだ持病も治ってしまいました。
こうした食習慣の見直しは、中年期だけではなく老年期にも大切なのですが、その中身についてはあまり知られていないのが現状です。
老年期に気をつけるべき食生活の知識について詳しく書くと長くなりますが、端的に短く書くと「太る方向の食事をしよう」になります。
中年期にはメタボを気にして痩せることを考えた方も多いと思うのですが、ちょっと太めの老人の方が健康で長生きする事は最近広く知られるようになりました。
そんな「ちょいデブ老人」になる為には、中年期から脂肪をある程度蓄えておく必要がありますし、実際に高齢者になったら「高タンパクで脂肪も避けずに摂る」食事を心がける必要があります。
年寄りには消化の良い物を食べさせた方が良いと思われがちですが、実際には脂の乗った肉や魚を食べさせた方が元気で長生き出来るというのが、今の新しい常識となります。