豆食のすすめ

あんパンが日本生まれの食べ物だと言うことは誰でも想像がつくと思うのですが、小豆を砂糖で甘く煮てパンに入れたり饅頭にしたりと、日本人は甘く味つけした豆が大好きです。

小豆の餡に限らず、金時豆やインゲン豆などを甘く煮て食べる習慣が日本にはありますが、こんな風に豆類を甘く味つけして食べる国は中々珍しく、他の国のレシピで豆を甘く煮た料理を私は見つけたことがありません。

豆料理が沢山ある国としてすぐに思いつくのはメキシコとスペインですが、メキシコでは豆はトウモロコシと並んで主食扱いですし、スペインで豆の煮込みというと家庭料理の基本といった位置づけです。

ところが日本で豆料理というと、前の晩から水で戻したり下茹でしたりと面倒な印象が先に立ってあまり家庭料理としては食べられていない印象です。

そんな中、最近は北海道産の水煮大豆が安く売られていたり、輸入物の豆類の水煮缶も色々な種類が豊富に手に入るようになりましたので、もっと色々に豆を食事に取り入れてはと思います。

豆類の良さは、何と言ってもどんなタイプの料理に加えても違和感なく馴染むことです。

煮物に合うのは勿論ですが、炒め物に加えても美味しいですし、和え物に加えるのも食感の変化を楽しめるのでおすすめです。

栄養価の面でも、肉の代わりのタンパク源になるだけでなく、肉には無い食物繊維を多く含みますので、例えばハンバーグに豆を混ぜ込むなどすれば味や食感に変化を付けられるだけで無く、食物繊維も一度に摂れてしまいます。

ところで冒頭に書いた「豆を甘く煮る」話しですが、これは明治維新までの日本人が、ほぼベジタリアンに近かったことが影響しています。

お菓子を作る場合にもこの事が影響していて、西洋のスイーツがバターや生クリームや卵、ゼラチンなど動物性主体の材料で出来上がっているのに対して、和菓子には動物性のものはほぼ見当たりません。

そして多くの和菓子の主役になっているのが「豆類」です。

粉にして使ったり餡にして使ったり、まさに豆無くして和菓子は成り立ちません。

こんな風に日本人は、甘いお菓子に豆をふんだんに使ってきました。

これは健康の面でも理にかなっていて、豆に含まれる豊富な食物繊維が甘いお菓子を食べても血糖値の急上昇を抑えてくれます。

糖尿病の方の食事では、野菜や肉を先に食べてご飯など炭水化物を最後に食べる野菜ファーストという食べ方が推奨されていますが、豆類には豊富な食物繊維が含まれますので順番をきにせずに食べる事が出来るわけです。

安価で保存も利き健康にも良い豆類を、お菓子以外の料理でももっと積極的に食べる事をおすすめします。

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