私は大阪のカルチャーセンターで月に数回ほど介護食を学ぶ為の講座をさせていただいています。介護食は料理ですから当然調理実習を伴う講座と思われるかもしれませんが、実は座学のみの講座もやっています。
使用するテキストの目次をちょっとご紹介します。
- 介護食の意義と目的
- 高齢者の体について(加齢と味覚の問題)
- 高齢者の栄養摂取について
- 特別ではない介護食
- 食材の選び方とポイント
この内容でだいたい90分ほどお話しをさせていただくのですが、実はほとんど井戸端会議みたいになってしまう事も多くて、参加者の悩み相談会みたいになってしまうこともあります。
実際に介護をしている状況の方にとっては、日々の介護で感じている悩みや不安を同じ境遇の方達や介護の専門知識がある方達と共有出来る事が楽しいのだと思います。
講座に参加される方の中には、実際にプロの介護職として仕事をされている方もいらっしゃるので、講座を始める時に自己紹介もかねて私からそうした事をお聞きします。
プロの方は当然知識も豊富ですから、私もその場で色々教えていただく事もありますし、その場の皆で貴重な知識や経験を共有出来る事は良いことだと思っています。
私は自身の経験として、自分の父親を二人暮らししながら介護して看取った経験がありますが、実際に介護をしている時には悩みを聞いてもらえる場所はありませんでした。
ケアマネさんに相談するにしても、何か具体的な要望があればついでに愚痴のひとつも聞いてもらえますが、ただ愚痴を言うためにケアマネさんに連絡する訳にもいきませんから、結局介護で発生したストレスは自分で方法を見つけて解消するしかありませんでした。
そうした経験がありますので、自分が主催する講座ではこうしたコミュニケーションも大切に考えています。
もちろんお金を払って学びに来ていただいてますので、全部雑談で終わるわけにはいきませんが、雑談の内容と関連付ける事で知識が頭に入りやすいという事もありますから、そうした事は常に意識しています。
そうして最後に、当日学んでいただいた知識を元にテキストの中の「食材リスト」から自分なりの介護食レシピを一品考えていただいて、それを発表して終わるのがいつものパターンですが、実際の調理実習をしなくても、介護食に適したレシピを自力で考えられるようになって帰っていただくわけです。
ちょっと長くなりましたが、そんな「料理教室」もあることを知っていただきたくて、今日は私の講座の内容を少しご紹介させていただきました。